気まぐれ王子とサル女





爽太はゴールすると
私のもとに駆け寄ってきた。



「爽太!1位だね!
おめでとう。ありがとう。ごめんね。」



「やったな!って
なんで泣いてるんだよ。」




爽太は二カッと
八重歯を見せながら笑った。



「…うっ、うぅ…
爽太ありがとう。ありがとう。」



爽太の優しさが
胸に染みて
拭いても拭いても
涙は目から溢れ出てくる。