気まぐれ王子とサル女





「なな、頑張れ!
もうちょっとだから。
後は俺に任せろ。
来い!なな!」




爽太の声が響いた。



そ...うた。

爽太が私を真っ直ぐ見つめる。
頑張らなきゃ。
爽太の為にもみんなの為にも
…自分の為にも。



私は深くうなずくと


何とか立ち上がり、
足を引きずりながらも
爽太のもとへ行き
「ごめんね」と言いながら
バトンを渡した。



爽太は「よくやった」と
言ってアンカーとして走り出した。