気まぐれ王子とサル女




「俺...」


陽葵は少しの間をおくと
俺の目をまっすぐ見つめ、


「七海のことが好きだ。」


と言った。


さすがの俺も
陽葵の真剣な表情から
嘘ではないことを読みとった。



「そ、そっかー。
お前ならきっと七海とくっつくよ。
あいつもお前のこと好きっぽいしさ」



俺は平常心を装いながら
陽葵に「がんばれ」と言い加え
速足で教室へ戻った。