気まぐれ王子とサル女




陽葵が私のことを...好き?



先輩が去ってから
何分立ったんだろう。


陽葵に抱きつきながら泣いていた私は
落ち着くと、
ようやく顔をあげた。



陽葵は目を閉じて
ただ、下を向いていた。



「陽葵。」


私が陽葵の名前をつぶやくと
陽葵はゆっくりと目を開けて
私を見つめた。



不安そうな私のことを察したのか

「もっと早く気づけなくてごめんな。
怖かったよな。」

そう言って私を強く抱きしめた。