そうして歩いているうちに、どうやら熱帯ゾーンの中心部へと到達していたらしい。
建物が見えて、茅野は声を上げた。


「『熱帯魚・両生類館』……?」


その看板だけを見れば、地球のどこの動物園にだってありそうな施設に見える。
遊園地のお化け屋敷のようなチープなおどろおどろしさの外見は多少凝っているものの、まあなくもない範囲だろう。

だが、中へ入った茅野は、思わず感嘆の声を上げた。


「……わ、……」


薄暗い屋内に、ずらりと並んだ水槽。

一つ一つはそう大きいものではない。
中に入っているのも、土と砂、水と苔、植物の違いはあるが、茅野から見ればすべて似たようなものだ。

だがその中を泳いだり跳ねたり歩き回ったりしている生き物に、茅野は目を奪われた。