「ど、どうした?」
私の怒りのオーラを感じたのか、少し戸惑っている先生。
志帆さんと勇二さんも相当驚いているのか、口が半分開いている。
「…私が先生を選んだことに感謝?先生がおじさん?直ぐに飽きる?何ですかそれ。今の発言全てに異議ありです。」
あの初めて先生と一つになれた日にも思ったけど、やっぱり先生は私のことを解っていない。
いや、正確には解ってくれているんだけど、先生に対する気持ちの大きさだけは解っていない。
「私こそ、先生に感謝しなきゃいけないんです。こんな子供でリスクの高い私を選んでくれたことを。10歳も年上で色々な経験をしていて、それでもって魅力的な人が沢山周りに居る中で私なんかと付き合ってくれたことの方がよっぽど奇跡なんですよ。それに、先生に飽きることなんて一生無いです。先生以上に魅力ある人なんて知りません。だから…」
「伊緒。」
「え?」
勢いよく話す私を止めるように、先生の低い声が部屋に響く。
その声で我にかえり先生の方へと視線を向けると、顔を真っ赤にして照れている先生が目に入った。
「もういい、もう解ったから。」
「あ、え…す、すみません。」
その先生の反応で、どれだけ自分が恥ずかしいことを言っていたかが解る。
やってしまった…ついつい興奮してあんなことを…。
しかも、
「いやー、愛されてるわね、かっちゃん!!」
「本当だなぁ。相思相愛とは正にこのことをいうんだろうなぁ。」
この2人がいる前で……っっ!!!

