勇二さんの言葉に、全員から笑みがこぼれる。




そして、それに反応するように、カランっとアイスコーヒーの氷が音をたてて崩れる。




そうだ…私と先生の恋は、世間的には『禁断の恋』だったんだよね。




皆にバレないように隠れながら恋をして、すごく必死だった。




会いたくても直ぐには会えなくて、デートもなかなか行けなかった。




電話も緊張しながらかけていたんだよね。




まだたった数ヶ月前のことなのに、すごく前に感じてしまう。





「本当、不思議な出会いよね。かっちゃん、伊緒ちゃんに感謝しなきゃ駄目よ?こんなおじさんを好きになってくれたんだから。」




「え?」




「それは俺も本当に感謝してます。あの頃は、まさか10も年上の俺を選んでくれるとは思っていませんでしたよ。付き合い始めの時なんて直ぐに飽きられるんじゃないかってビクビクしてましたし。ははは。」





「まぁそうだろうな。俺も同じ立場ならそう思うよ、あはははは。」




ちょっと、ちょっとちょっとちょっと待てい!!!




昔話に花を咲かせるのは全然良いけど、この会話はいただけない!!




「異議あり!!!」




3人が笑いあっている空間をぶち壊すように、大きな声と身振りで発言をする。




すると、私のあまりに突然の行動に驚いたのか、3人は目を丸くしながら私の方へと視線を向けた。