喫茶店からスーパーへの道のりを、少し速足で進む。
頭の中は今から買う食材のことでいっぱいになってゆき、それと共に今から会う先生の顔が浮かんでくる。
今日の先生はどんな服を着ているのだろう。
いつもと変わらずジャージかな?
あ、そういえば会議があるって言ってたな…もしかしたらいつもより疲れているかもしれない。
一応コーヒー用のシロップを買っておこう。
それから、そうだデザートも買っておこう。
あとは……ブ―――…ブ―――…ブ―――……
先生や買い物材料のことを考えていると、鞄の中にある携帯が激しく振動した。
歩いている足を止め急いで取りだすと、画面には甲田先生の文字が出ていた。
え、え、え、どうしよう、電話なんだけど。
もしかして、もう喫茶店に着いちゃったとか?
どうしよう、これじゃサプライズ失敗だよ…まぁ、とりあえず電話には出なきゃだよね……。
「……もしもし。」

