先生と教官室3~沢山の初めて~






「先生はいつもどんな顔して食べていたんですか?」





今の志帆さんと勇二さんの反応から、先生のこの顔を見たのは初めてなんだということがよく解る。




とゆうことは、これは志帆さん達の思い違いという訳ではなく、先生の変化なのであろう。





そうとなれば、ついつい昔のことが気になってしまう。





「そうね……、昔から美味しいとはよく言ってくれてたんだけど、こんなに表情は柔らかくなかったわよ。」





え、全然想像できない。





表情が硬い先生?え、実在するのかな?





「そうだな、俺もそう思う。それと、新人の頃通っていた翔也と、伊緒ちゃんと付き合い出してからの翔也は全然違う。まるで別人だ。」





「…な、なんですか、2人して。別にそんな変わってないですよ。」





「いーや、変わった。表情は明るくなったし、柔らかくもなった。昔から優しかったが、その優しさに暖かさも加わったと俺は思うよ。」






「ふふ、そうね。かっちゃんとても変わったわ。大切な人を守ることを知ったからかしらね?」





2人からの言葉に、たじたじな先生。





その横で、私もどうしたらいいのか解らずたじたじになる。





そうなんだ、私ばっかり変わっていると思っていたけど、先生も私と付き合ったことで少しずつ変わっているんだね…。




なんだか知らない先生を知れて嬉しい……。