「先生はいつもどんな顔して食べていたんですか?」
今の志帆さんと勇二さんの反応から、先生のこの顔を見たのは初めてなんだということがよく解る。
とゆうことは、これは志帆さん達の思い違いという訳ではなく、先生の変化なのであろう。
そうとなれば、ついつい昔のことが気になってしまう。
「そうね……、昔から美味しいとはよく言ってくれてたんだけど、こんなに表情は柔らかくなかったわよ。」
え、全然想像できない。
表情が硬い先生?え、実在するのかな?
「そうだな、俺もそう思う。それと、新人の頃通っていた翔也と、伊緒ちゃんと付き合い出してからの翔也は全然違う。まるで別人だ。」
「…な、なんですか、2人して。別にそんな変わってないですよ。」
「いーや、変わった。表情は明るくなったし、柔らかくもなった。昔から優しかったが、その優しさに暖かさも加わったと俺は思うよ。」
「ふふ、そうね。かっちゃんとても変わったわ。大切な人を守ることを知ったからかしらね?」
2人からの言葉に、たじたじな先生。
その横で、私もどうしたらいいのか解らずたじたじになる。
そうなんだ、私ばっかり変わっていると思っていたけど、先生も私と付き合ったことで少しずつ変わっているんだね…。
なんだか知らない先生を知れて嬉しい……。

