二人のやりとりを眺めてから、隣の先生に視線をうつす。
今日のお茶会のメインイベント、そうそれは、先生のリアクションである。
気づかれないようにそっと横を見る。
志帆さんと勇二さんも、そっと先生の方へと視線を向ける。
すると、そこにはいつものようにニヤケながらアップルパイを頬張る先生の姿が目に入った。
会話にも入らず、夢中になってアップルパイを食べる先生。
食べ方は綺麗で大人の仕草なんだけど、表情とかはとても子供っぽくて本当に可愛い。
動物園にいる動物みたいで、つい餌付けをしたくなる。
「先生、美味しいですね!!」
「あぁ、うま………い…。」
私の声で我に返ったのか、先生は急に食べるのをやめた。
「へぇー、かっちゃんそんな顔して食べるのね。」
「な、俺もそんな幸せそうな顔は初めて見たぞ。」
「そう、これが伊緒ちゃんが言ってたニヤケ顔なのね。」
「え?ニヤケ?え?」
「はい、そうです。可愛いですよね。」
「そうね、可愛いわ。もっと前からそんな風に食べてくれれば良かったのに。」
「なっ!!!!俺は別に!!!」
うんうん、と納得し合う3人と、1人状況がよめず顔を赤くする先生。
状況はよめていないけど、志帆さんと勇二さんに今まで見せていなかった姿を見せてしまったのが相当恥ずかしいみたいで、顔が真っ赤に火照っている。

