「では、いただきます。」





先生がついでくれたアイスコーヒーと、志帆さん特性のアップルパイを4人で囲むように席につく。




ひとしきり先生をいじめ倒し満足した私達と、少し拗ねてしまった先生。





でも、今は先生が拗ねているとかどうでもいい。





この美味しそうなアップルパイの前では全てが後回しになってしまうのだ。





それに、先生も志帆さんのアップルパイ食べたら機嫌直るしね。





皆で手を合わせて挨拶をし、それぞれがアップルパイを口へと運ぶ。





口に広がる味は幸せそのもので、りんごとパイの甘味の絶妙さや、このサクサクとした触感は何とも言えない。





あぁ、どれだけ頑張っても志帆さんのアップルパイには勝てないな…といつも思い知らされる。





「おいしいいぃぃぃ、志帆さん最高です!!」





「あらほんと?嬉しいわ。」





美味しいアップルパイだけでも幸せいっぱいなのに、この志帆さんの嬉しそうな顔をみると更に幸せな気持ちになる。





「うん、今日のもうまい。ほんと、お前のアップルパイはどこのやつよりもうまいよ。」





「ふふ、そんな嬉しいこと言ってくれるの?ありがとう。」





そして、この夫婦のやりとりは胸キュンと幸せのダブルパンチである…。