――――――ピンポーン





「はーい。」





7月上旬、日差しがどんどん強くなり夏に近づく頃、家の中は既に少し蒸し暑くなってきた。





ガチャッ





「こんにちは、伊緒ちゃん。今日は招待してくれてありがとう。」





「いえいえ、こちらこそ暑い中来て頂いてすみません。どうぞ、入って下さい。」





「あれ、翔也はいないのかい?」





「ふふふ、いますよ。ただどうもお出迎えが恥ずかしいみたいで。中でアイスコーヒーついでると思うのでからかってやって下さい。」





「ははは、じゃぁそうしようかな。」





「ふふ、あなた、あんまりいじめちゃ駄目ですよ。かっちゃん拗ねちゃうから。」





静かだった空間に響き渡る、心地良い笑い声。





今日は、先生の家に志帆さんと勇二さんを招待してお茶会を開く。





私が少し前に、『アップルパイを食べる先生の顔はニヤケて可愛い』と力説したところ、是非見てみたいという志帆さんの発言により今回のお茶会が開かれることになった。





もちろん、この理由は先生には内緒。