「…何で泣いてる?痛かった?」
そんなことを考えながら先生の下で静かに涙を流していると、先生は心配そうに私の頬に触れた。
こんな時くらい自分勝手でいいのに、先生はどこまでも私を気づかってくれる。
嬉し涙だったんだけど、先生には私が嫌がっているように見えるのかな?
そんな訳ないのに…先生は、私がどれだけ先生を好きなのか全然解ってないよ。
「ごめん伊緒、大丈夫か?やめる?」
さっきはあんなに止めないとか言ってたくせに。
「ばか、先生はどれだけ私を甘やかすんですか?もっと自分勝手でいいんですよ?」
私の頬に置かれた先生の手に自分の手を重ねる。
すると、その行動で私が嫌がっている訳ではないと理解したのか、先生はニヤリと私に微笑んだ。
「仕方ないだろ、どうしようもなく好きなんだから。好きな女甘やかして何が悪い。」
「――――――っっっ!!!!!」
やばい、面食らった。
これはもう一生先生に勝てない、そう思わされた瞬間だった。

