キッチンへと向かうはずだった身体は、先生の力によってソファーの上へと再び投げ出されてしまった。




目の前に広がるのは先生の少し怒った顔と明るい電気の光。




この光景懐かしいなぁ…まるで教官室でみた時みたいだ。




あぁ、そういえばあの時も先生に引っ張られてソファーの上に投げ出されたんだっけな。




「何するんですか、先生。」




でも、私はあの時みたいに先生に免疫が無い訳じゃない。




ここ数年でこのシチュエーションにも少しは慣れて、余裕だって出来てきているのだ。





「何って、押し倒したんだけど?」




「だから、何でですか?私片付けがしたいので、重要な話しじゃないならどいて下さい。」




「いやだ。」




「……何で。」




やばい、先生の反応が子供っぽくて可愛くなってきたぞ。




放置できるのか危うくなってきたぞ。




「…俺の中では、伊緒とのキスは重要なことに入るんだよ。だからどかない。」




「え……。」




「伊緒、キスしてくれないのか?」




「―――――っっ!!!」





なんなんだその不意打ち&甘え方わぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!




私のお仕置きをしようという意気込みを意図も簡単に打ち砕きおって!!




憎い、憎いぞ甲田先生!!!




「伊緒?」




押し倒された身体に力が入る。




うぅ、どうしても自分からのキスはめちゃくちゃ緊張してしまう。




いつも先生からしてくれるし、逆に私は先生からのキスを待っているばかりで自分からしてみようなんて思わないからな…。





「…一回だけですよ。」





そう言って自分の身体を少し持ち上げ、先生の服を引っ張り身体を引き寄せることでお互いの距離を詰める。





そしてそのまま、唇と唇が触れ合うくらいの優しいキスをした。