車の前へとつき、冨田先生は俺に会釈をした。






「また時間があれば片瀬さんと家にでも遊びに来てください。きっと、妻も喜びます。」





「え、いいんですか?是非お願いします!!」





「はい、じゃぁまた月曜日。」






「あ、あの冨田先生。」






「はい?」





ドアを開ける冨田先生を一度だけ呼び止める。





すると、不思議そうな顔をした冨田先生が動きを止めて俺を見た。






「これからはもっと今日みたいにお話しがしたいなと思ったんですが…失礼でなければよろしいでしょうか?」






俺の突然の発言に、冨田先生の表情が不思議そうな顔からキョトンとしたものに変わるのが解る。





やばい、やっぱり言うんじゃなかったな。






無駄に緊張してきた。






「ははは、僕なんかでよければ是非お願いします。」






「え……。」






「あ、でも一つだけ条件を出してもいいですか?」





「は、はい…可能なことでしたら。」





「じゃぁ、他の教員がいない場所では僕は敬語無しで話しますね。」





「へ?」






敬語なし?それが冨田先生の条件なのか?