「な、ななななんで、相手が片瀬って……」





「あはは、驚きました?」





そりゃあ驚きますよ。





俺は周りの教員に付き合っていることも、まして相手が伊緒であることも話したことは一度もない。





進藤先生以外知るはずがない俺と伊緒の関係を冨田先生が知っているなんて…。






「実は、片瀬さんが在学している時からお二人の関係は知っていましたよ。」






「えっ……。」






「あぁ、大丈夫ですよ。僕以外の教員は気づいていないと思いますから。あ、進藤先生は知っていそうですけどね。」






「…………。」






すごい、すごすぎるぞ冨田先生。






さっきから話していること全てが正解しているじゃないか。






もはや図星すぎて怖くなってきた。







「あの、なんで僕たちのこと解ったんでしょうか…?」






伊緒が在学中確かに二人で会ったりはしたが、それは全て教官室でのこと。





数学教員の冨田先生が立ち寄ることは年に1・2回あるかないか程の場所である。






その他の場所では目立ったことはしていないと思うんだが…それなのに何で…。







「まぁ簡単に言うと、二人の間の雰囲気だけ周りと違ったといったところですかね。」