俺の失礼な質問に対して嫌な顔をせず微笑む冨田先生。






その姿を見て失礼だと思われなかったことに安心したのと同時に、もっと冨田先生と話しがしてみたいと思った。






ただの俺の勘だけど、冨田先生はきっと裏表のない良い人だ。






それにどこか暖かいというか…関係は深くないのに話しや相談をしてみたくなる雰囲気をもっている。






「実は、恥ずかしながら最近子供が産まれましてね。」






「え、そうだったんですか!?おめでとうございます!!」






「ははは、ありがとうございます。多分、時間を気にしていたのは子供が起きている間に帰りたかったなと思っていたからじゃないですかね。いやー親バカみたいで恥ずかしいですね。あははは。」






薄暗い廊下の中でも解るくらい優しく微笑む姿が目にうつる。






あぁ、良い父親っていうのはこういう人のことを言うんだろうな…。






「それに、一緒に晩御飯食べながら家族の話しを聞くのが好きなもので…今日はそれが出来なくて無意識のうちに寂しいと思ったのかもしれません。」






俺の失礼だと思われた質問に対して真剣に答えてくれる冨田先生。






そして、その答えから伝わってくる冨田先生の家族への想いに胸が暖かくなる。






「あ、急にこんな話しされたら気持ち悪いですよね。」






「いえ、そんなことありません。もっとお聞きしたいくらいです。」






こんなにも誰かを想えるのはとても凄いこと。





それを当たり前のようにしている冨田先生は本当に凄い人なんだと思う。