「なぁ、あの漫画読んだ?」
「ゲームの事なら俺に何でも聞いてっ!」
「家どこ?」
転校生って来たばっかりの時は質問攻めにあうんだよね・・・
私自身もそうだったから、陽斗君の気持ちが少し分かる。

去年のちょうどクリスマスイブの日。
私達一家は家から歩いて十分ぐらいの場所に小学校や駅があり、便利な住宅街に引っ越してきた。
まぁ、坂道が急で運動オンチの私には、ちょっときついんだけどね。
で、小学二年生の三学期から今の学校に通い始めました。
あ、私達の小学校は三学期制なんだ。
どんな学校かなぁと思って教室の戸を開けると・・・

クラスメイトの視線。
う・・・見られてる・・・
は、早く席に座りたいなぁ・・・

「△■小学校から来た、中野愛菜さんです。皆さん、仲良くしてあげてください。」
・・って、自己紹介させてくれないの!?
ま、いっか。
私を紹介したのは、当たり前だけど担任の先生。
でっぷりとしたお腹と、髪が薄めの頭。
どうみても中年のおじさん。
お母さんによると、お父さんと同い年らしいけど。
絶対にお父さんのほうが若く見えるし・・・