「…変なとこ、見せちゃったね」
苦笑しながら君は呟いてたよね。
「別に…。ていうか何でお前はいじめられてんだ?…あ、すまん。言いたくないか」
言って後悔した。
誰にだって言いたくないことの
一つや二つはあるから。
「…フッ……別にいいよ?まぁ何ていうか
ただの嫉妬ってやつみたい」
「…はぁ?嫉妬?」
君は悲しそうに小さく笑った。
きっと、ツライんだろう。
「うん。何か私の友達だった子の好きな人が私だったんだってさ…。
それから私っ…無視とかっ…い…じめとか
教科書っ……隠されたりっ…」
ついに君は泣き出してしまったんだよね。
ギュッ
俺は愛を抱きしめていた。
びっくりした。
自分がこんなにも
女のことを守ってやりたいって思ったのが
初めてだったから。
「…つらかったんだな。泣けば?俺はお前の味方になってやるから」
俺は優しく微笑んだ。
君の心の傷が少しでも浅くなるならって。
こんなクサイセリフも
いつから言えるようになったんだろう。
ただ、君だけのために…。