『やっぱり。春さんも
前にもあった的な感じだったもん。

好きじゃないのに付き合ってんの?』



春もそんな感じだったって
果奈、春と話したんだ



『うん。ウチが冷めてるなら
良いやって思って付き合ったらしいよ

春がウチから離れていってる事ぐらい
気付いてたのに
いつもと様子が違う事ぐらい
気づいてたのに
それを言ったら「何か」が起こりそうで
「何か」が起こるのが怖くて
逃げてばっかりで
逃げてたからこんなことが起こって
本当ウチってバカだね』



ウチはいつも逃げることしかしてない


戦う事を恐れてる


こんなんじゃダメだってわかってるけど


でもやっぱり怖いんだもん…



『本当にバカ、二人共同じ事してさ。
お互いがお互いを傷付けて、
傷付けられて。
それで結局、二人共
自分から離れていったくせに
苦しいなんて言って大バカだね』



え?


ウチと春、同じことしてたの?


そんな事
してるつもりなかったんだけど…



『ウチって春と同じ事してたの?』



『春さんに冷たくしてたんでしょ?
それに距離だって置いてた。
もかも春さんを試してたんでょ?

もしかして気づいてなかったの?』



え、そうなの?


全然気付いてなかった


ウチも春と同じことしてたなんて…