そうだ、俺はこいつを殺した。本当は裁判で罰して欲しかったのに、殺してしまった。 訴訟は証拠不十分で受理されず、それは執念を生んだ。 殺せばそれでおしまい、こいつは楽になる。それがどうにも許せない。 一生ついてまわる傷のある紙切れを持って、生き続けてほしかったというのに──! 「……」 斉藤はしばらく考えて、パンツのバックポケットから小さなノートを取り出した。