【あなたと私で創るものがたり】

 なんとか動く目でそこを見ても、真っ黒い影があって肘から下の手だけがはっきりと見えていた。

「いい加減にしてよ」

 もうだめ泣くと思ったとき、太ももの内側にするりと手が入ってきた。

 手は今まで以上にイヤらしく内ももをなで回し、その恐怖で私は涙も出せなくなった。

 昔、お父さんが隠し持っていたエロビデオをこっそり見たときに出ていた男優みたいな気持ちの悪い動きだ。

 これが好きな人がしていたなら、きっと私も興奮するんだろう。

 次第に大事なところの直ぐ近くまで指が来て──

「助けてお母さん!」

 叫びは声になり飛び起きた私はお母さんのいる寝室に走ってその夜はお母さんと一緒に寝た。