【あなたと私で創るものがたり】

「怖くなんかなんいわよ」

 ああ~言っちゃったって思った。

 五人くらいでボロボロのアパートに入ったけど、特にこれといったことはなかった。

 スプレーの落書きや散らばった紙切れや割れたガラス、壊れた家具が懐中電灯に照らされて湿度で変な音がしたりもしたけどそれで終わり。

 きっとそのせいで変な夢を見たんだ。

 会ったら文句言ってやる。

「あ、もうこんな時間? 寝よ」

 気がつけばすでに十時を回っていた。

 私は昼寝をしたのに疲れが取れていないらしく、歯を磨いてすぐにベッドに潜り込んだ。