「私が電話するから、みんなは人が近づかないように見張ってて」

 言って雪菜はスマートフォンを手にした。

「解った」

「どうしたの?」

 通りがかった飛鳥が雪菜に話しかける。

「蜂の巣があるの」

「! へえ」

 飛鳥は珍しそうに蜂の巣を眺めた。

「……」

 それを公園の反対側から由子がずっと見ていた──こちら側の警戒をみんなはすっかり忘れているようなので、自分がする事にする。

 反対側の人間は全員、知らない人たちだが蜂の巣に関して心は1つだと由子は警戒を続ける。