まみ、ちょっと

細い路地に入る。
誰も、見えなくなる。

え?

なんて。
期待しているくせに、
なにが起こっているかわからないフリ。

どうしたんですか?

と、覗き見る。
呼吸は短く、いかにも緊張しているように
熱っぽく。

幸治さんの唇が近付く。
5cmの所で

あ…

と、一度顔を後ろにひく。