誰かなんて振り返らなくても、分かる。 私を抱締めているこの腕は、私の大好きな人の腕。 大好きな私の匂い。 「琴音」 耳元で、大好きな人の声。 「輝君…」 「来ないかと思った」 かすかに抱締める腕が、小さく震えている。