大勢の人達が歩いている中で、探すのは難しいのかもしれない、そう思った時だった。


しおりちゃんが、人ごみを歩いているのを見つけたのは。


「しおりちゃん!」


大声で呼んでも、しおりちゃんは私には気付かなかった。


私は人ごみの中をかき分けて走る。


「すみません!通してください!」


何度も人とぶつかって転びそうにもなる。