「俺は、泣かせない」 「だから、先輩何言って――…」 次の瞬間、先輩が私を自分の胸へと抱きよせた。 「琴音が、頭から離れないんだ」 そう言って、先輩が私の目を見透かすかのように見つめる。 「琴音をほっとけないんだ」