~蓮side~

「もういいですよ、ポチでいいですよ諦めますよ」

ポチこと四ノ宮蘭は溜息をついて自分のデスクへ戻った。
俺たちもそれに連れられそれぞれのデスクに戻る。

ポチに関しては俺は楽しんでいた。

あのいじった時の反応おもしれぇ

「あれ?」

前のデスクで首をかしげるポチに俺は笑いながら訪ねた

「どうした?骨でも欲しいのかよ」


「骨入りませんけど…PCがつかなくて」

そういって何回かボタンを押すのを繰り返す。

頼めばいいだろそんなこと。

「お前ちょっとどけ」

ポチはのろのろと立ち上がった。

おそっ!反応おそっ!

んだよ犬じゃねえか!完璧犬じゃねえか!

「ポチ、お前はやっぱりポチだ」

「ど、どういう意味ですか!」

顔を真っ赤にして怒るポチを横目で見ながらも

PCをいじる。

なんだこりゃ、複雑に壊れてるな。

なんだかんだ思いながらも機械系は得意の中の得意だった。

「おいついたぞ」

「え!ホントですか?!わあ有難うございます!」

おい、可愛いな。

喜んでパタパタと飛び上がった。こんぐらいのことでそんなに喜ぶか?

その様子が面白くてついつい笑ってしまう。

「蓮さんっていっつも笑いますよね。なにがおかしいんですか?」

「いんや、ポチは人懐っこいんだな。」

「へっ?」

嫌別にと返して俺は反対側の自分の席へと戻った。

ポチはカタカタと細い指で作業をし始める。

真剣すぎ。いいペットができたな。

これからどんなパシリにしようかと思ううちに笑みがやまなかった。

時々ポチは俺を見て笑い返す。

バカだな。アホだな。パシリのこと考えてんのに。バカだな

「ポチ、コーヒー入れてくれよ」

「はい!わかりました!お砂糖はいりますか?」

「いらねえ」

「わかりました!」

軽い足取りでコーヒーを入れに行くポチ。

あいつって自分がパシリにされてんのきがつかねぇの?

「蓮、あまりポチを利用するな」

「いいじゃねえか。拓海だってパシリしたらいいんじゃね?」

「いや俺は…」

「ポチー拓海も欲しいってよ!」

「おい!蓮」

「拓海さんもですか~?お砂糖抜きでいいですか~?」

「抜きでいいってよ」

「おい!蓮!」

「わかりました!待っててくださいね」

たくらみも知らねえでポチは珈琲を入れ始める。
隣では拓海がなにやらぶつぶつとつぶやく。

「珈琲くらいでパシリにはなんねーっつうの」

「そうか?だがお前は自分のことをだな…」

うっわー始まった拓海のお説教時間。
毎回毎回長いんだよなー拓海のお説教。