その日は亮也が一人で お見舞いに行った日だった。 「ん・・・」 ベッドのほうから声が聞こえた気がした。 「え・・・彩華・・・?」 「亮・・・也・・・・・・?」 その声はまぎれもなく 彩華本人のものだった。 彩華の意識が戻ったのだ。 亮也は慌てて先生を呼んだ。 そこから先はなにやら人がばたばた 動いているのを見ているだけだった。 しばらくすると彩華の母が 慌てた様子で病室に入ってきた。