彩華の母に椅子を勧められ 遠慮しながらも座った。 「この子、こんなことになるとは 思ってもなかったんでしょうね・・・。」 「そうですね・・・。」 「昨日はね、生死をさまようくらい 危険な状態だったんだけど、 今日は安定してるの。 きっと彩華が頑張ったのね。」 そういう彩華の母の目には うっすらと涙が浮かんでいた。 「お医者様がね、 脳のほうは大丈夫だと思うから 後は根気強く待ちましょうって。 いつ目が覚めるかは わからないんだけどね。」