「気をつけるのよ」 母の目は本気で 我が子を心配する目だった。 「・・・ありがとう」 亮也はそう言うと今度こそ家を飛び出し 駅へと走った。 券売機で急いで切符を買い、 ホームへ行くとちょうど電車が来ていた。 亮也の住んでいるところから 彩華の住んでいるところまでは5駅。 その時間が亮也にはとてつもなく 長く感じた。 電車に揺られながら亮也は 今朝の夢を思い出していた。