「ただ?」 「とても大切な人がいたような 気がするのです。 いつもそばにいてくれた とても大切な人が。 そのことを思い出せないのが とても残念です。」 アーシャはどこか遠くを見ているような、 とても悲しい顔をしていた。 「ああ、着きましたよ。 ここです。」 彩華はまだ聞きたいことがあったのだが やめておいた。