「そんな顔で‥‥笑うなよ」 不意に抱きしめられて、あたしはポスンと馬淵くんの腕の中に収まってしまった。 「ま、馬渕‥‥くん?」 「最初は、早川と同じラインに立つために『弁当を作って欲しい』って言ったんだ」 ギュッと肩に回された手に力がこもる。 「で、弁当の理由聞いてすげぇ情けねぇけど『早川の代わりでもいいから』って思いだしたんだ」