まぁ、得に理由はなく。
折らずにそのままにしていた長さがみんなより長かっただけ。
当の本人の私は、そんなに気にしている方では無かった頃。
「日向って、うちのクラスの?」
藍とは、小学校の頃から同じクラスになったことがない。
家が近くて、苗字が同じだからかだろうか。
「そうそう。その日向や。」
橋本日向。<ハシモト ヒナタ>
明るい性格で、女子にも人気やった。
日向はほとんどの人から、下の名前で呼ばれてる。
私みたいに、必要最低限しか男子に話しかけんやつにも普通に話しかけてきてくれるええ人や。
「日向がどうしたん?」
学校まで30分程ある道のりを噂話を聞いて終わっていた。
藍とは、違うクラスやから学校で話すことはほぼ無かった。
「あー、でも噂やからな?あんな、日向が恋香のこと好きらしいで?」
「えー、無い無い。」
藍から聞いた噂を私は軽くかわした覚えがある。
日向が私のこと、好きとか。
無い無い。
本当にそう思ってた。
だから、簡単に聞き流していた。
「そうかー?」
なんだか、藍は嬉しそうな顔しとる。
「なんやー?顔、ニヤけてるで?」

