泣き出しそうな春




 今。



 なんか、懐かしい夢みたなー。



 あ、そういえばこの席もあの頃と同じ場所だな。


 
 外に向いていた顔をふと横を見てみる。



 特に変わったことなんてない


 
「あ、恋香が起きてやんの。」


 声がした方を見ると前の席の美玖が振り向いていた。


「あー、うん。なんか懐かしい夢見た。」


「へー、恋香にも懐かしむ出来事があったの。」



 美玖は微笑み、頬杖をついている。


「そりゃね。」


 華の女子高生。


 そう言われる期間になってから、2年。


 中学の方がまだ、華のある生活をしていたような気がする。