オオカミとお姫様



「着いた」

詩音の手を離す。

「…職員室?」

不思議そうな顔で言う。
着いた先は職員室。
…俺は覚悟を決めた。

Σコンコン
「失礼します。2年C組の桜井です。サッカー部顧問の先生はいらっしゃいますか?」

「ん?私だが」

「なんだ?やる気になったか?」

一呼吸置く。

「サッカー部、入部してもいいですよ」

「そうか…えっ!?」「えっ!?」

2人の驚いた声が響く。
そんなに驚くことか?

「その代わり条件があります。詩音もサッカー部に入部させてください」

この条件をのむのなら、サッカーをしてもいい。そう思った。
『たっ確かに好き勝手にしてる部分はありますけど、すごく周りに気を使ってる方だと思いますよ。それに、本当は、もっとみんなと仲良くしたいって思ってると思います。どうしていいのかわからないだけで…』

さっき詩音が言ってくれてたこと。
すごく嬉しかった。
俺の事、ちゃんと見てくれる人がいるって。
そんな詩音がそばにいてくれるなら俺は何でもできる。
そんな気がした。
だから、サッカーだってなんだってしてやろうって…

「…えっ?何言ってるんですか?女子はサッカー部に入部できないですよ」

驚いたように言う詩音。
…確かにそうだ。