ある日、オオカミは出会った。
一人のお姫様に。

オオカミは人とのかかわりを避けていた。
だが、お姫様と出会ったことで変わった。
お姫様にだけ懐いた。

そのうちオオカミはお姫様に特別な感情を抱くようになった。
初めはその感情がなにかはわからなかったが、それが『恋』だと気付いた。

その『恋』だとわかった時、自分が醜い感情で溢れていることに気付いた。
これ以上一緒にいてはお姫様を傷つけてしまう。
お姫様には笑顔でいてほしいから…
そのために、オオカミはお姫様の前から姿を消した。

今まで通り、人とのかかわりを避けて過ごすようになった。
本当はお姫様のそばに居たいのに。
オオカミは自分を偽り、人とかかわることをやめた。

人のいない場所で一人過ごしていたオオカミ。
…すると、聞き覚えのある声が。
その声はオオカミを探していた。
オオカミを探していたのはお姫様だった。

そしてお姫様は大きな声で言った。
『あなたの事が好きです』と。

その時、オオカミが光に包まれた。
そしてお姫様の前に現れた。
その姿はオオカミではなく王子様。
オオカミは王子様だったのだ。
心を閉ざしていた王子様はオオカミに姿を変えられていたのだ。


王子様となったオオカミはお姫様を幸せにすると誓ったのでした。
こうして、オオカミだった王子様とお姫様は結ばれたのでありました…







END