オオカミとお姫様

長谷川が扉にノックする。

「入れ」

あの人の声がした。

「失礼いたします。お連れしました」

「あぁ。下がれ」

「はい。失礼いたします」

長谷川が部屋から出て行った。

「…で、何用だ?」

傲慢な態度で聞く親父。
ムカつく…

「昨日の話を撤回しに来た」

「…ほう」

「俺、学校辞めないから」

「…で?」

「サッカーも続けるから」

「将来に無価値なものをか」

馬鹿にしたように言う。
俺には価値あるもんなのに。

「あんたがなんて言おうがやめる気はないから」

「そうか」

案外あっさりした答え。
もっと怒るのかと思った。