オオカミとお姫様

「すっすみません…あの…」

詩音が突然謝りだした。
ギュっと目を瞑っていた。

「…バカ」

「え?」

きょとんとした顔で俺を見た。

「かわい過ぎなんだよ、バカ」

言い終わると同時に詩音を抱きしめた。
ずりぃよ。
ホントずるい。

俺の腕の中にすっぽりと詩音が埋まる。
埋まっていた詩音が顔を出し、

「玲央。ドキドキしてるんですか?」

俺に聞いた。

「なっ…」

また加速する。
ずるいよ、マジで。

俺は少し考えて、

「…してる。すげーしてる」

素直に答えた。
そして少し強く抱きしめた。
また俺の鼓動が聞こえてしまうかもしれない。
けど、聞こえてほしい。そんな風に思っている自分がいた。