オオカミとお姫様

歩いているうちに夜になった。
暗いが詩音の姿はよく見える。
動物並の目だからな(笑)

けど、詩音は振り向かないと見えないところまで俺の後ろを歩いている。
これじゃあまるで引き連れて歩いてるように見えるじゃんか。

「なぁ」

「…はっはい」

突然話しかけられたことに驚いた詩音。
小動物みたいでかわいい。
…そうじゃない。

「俺の見えるところにいてよ」

俺はそう言って詩音を隣に引き寄せた。

「すっすみません…」

「謝り癖、抜けてないのな」

「あっ…」

「まぁいいけど」

「すみません…」

「…フッ。もう何言っても謝りそうだな」

「あっすっあ…」

また言おうとしたみたい。
詩音は慌てたように口を塞ぎ隠す。

「そんなふさがなくても」

そんな詩音がかわいくて、おかしくて、笑った。
詩音の顔も笑顔になった。