オオカミとお姫様

「坊ちゃま、元気にしてましたか?」

「あっあぁ…」

この人は長谷川宗次(はせがわ そうじ)。
今年で48歳になるっけな。
俺が生まれるより前から執事として働いているベテラン。
一言でいうなら、『完璧で優しい人』だな。
すげーいい人。

「会うのは1年振りくらいですかね?」

「そうだな」

髪を染めてすぐくらいから会ってないな。
もう1年になるのか…

「学校に行っていたとお伺いしてたのですが、楽しかったですか?」

「まぁな、それなりに」

「そうですか。それは何よりです」

それっきり、会話はなくなった。
でもこの沈黙は嫌いじゃない。
きっと、信頼している人だからかな。
わかんねぇけど。