オオカミとお姫様

女はどうする気なんだ?


「れっ玲央っっっ///」


俺の名前を呼ぶ声がした。
呼ばれてすげー嬉しかった。
やっぱ俺、好きになったんだ。

「ちゃんと呼べるじゃん」

嬉しさを隠して女に言う。
女は頬を赤く染めていた。
くそ、かわいいじゃねぇか。

そう思ったら無意識に頭を撫でていた。
女はそれを嫌がるわけでもなく、少し嬉しそうにすら見えた。

「名前、呼んでくれたお返しに俺も詩音って呼んでやるよ」

俺だけ呼ばせるわけにもいかないからな。
恥ずかしさを隠して名前を呼んだ。
『詩音』って。

詩音に顔を逸らされた。
嫌だったのか?
違う、よな。

「もう少し休んだら送るから。寝とけ」

「あっはい///」

返事してくれてるし、嫌われてはいないよな。
リビングで、高鳴る心臓を静めてた。