オオカミとお姫様

「別に。むしろ安心したよ。詩音のそばに誰かがいてくれてるんだからな。それがお前なのはムカつくけど、詩音にはそれが一番いいんだろうし」

「桜井…」

「お前、女に人気あるんだから詩音がいじめられたりしないようにしっかり目を配るんだな」

あの人なのが癪に障るが、詩音には俺みたいな黒い感情をまとわりつかせている奴なんかよりもあの人の方がいいんだろう。
ちゃんと相手の事を考えられる人の方が…

「話はそれで終わりだろ?詩音泣かせるなよな、キャプテン」

俺は逃げるように公園から飛び出していった。

「桜井っ!話はまだっ…」

あの人の声がしたけど、そのまま走った。