オオカミとお姫様

興味がわいたらいじめてやりたくなった。

「…ただし、条件付きだ」

「じょっ条件?」

予想外の言葉に戸惑う女。

「お前が『玲央』って呼び捨てで呼んでくれるならなっ」

「そっそれは…その…///」

なんでかこいつに名前で呼んでほしいと思ってしまった。
『桜井くん』じゃなくて、『玲央』って。

「呼ばないなら行かない」

俺…そっか。俺、この女が好きになったのかも。
まだ実感はねぇけど、きっとそうだ。
親にでさえ名前で呼ばれたくないと感じていたくらいだ。
その俺が、名前で呼んでほしいと思ったんだから。