オオカミとお姫様

少しの間、先公に体を預けた。
先公は何も言わず、俺を抱きしめてくれた。


「…悪、かったな」

先公から離れ、言った。
素直に謝るなんて久々だったから、どんな顔して言えばいいのかわかんないけど。

「うわっ、桜井くんが謝るとか…」

「わっ笑うな」

「すまない、すまない。桜井くん、すっきりできたかい?」

「え?…あぁ、まぁ少しは」

「そっか、ならよかった」

いつも通りの先公に戻っていた。
あんな風に誰かに叱ってもらったのは何年振りだろうか…
それも真剣に。
…一度もないだろうな。