オオカミとお姫様

保健室に入る。

「変態栄養士、最後のあいさつに来た」

「…おい、ちょっと顔貸しなさい」

入るなり、いつもと違う雰囲気の先公。
ソファに座らされた。と同時に鍵がかかった音。

「おい!何鍵かけてんだよ」

「桜井くん、何しでかしてんだ?」

いつもと違う声色で言う先公。
何しでかしたって…こいつに関係することなんて何もない。

「何って、何が?」

「…春瀬詩音。これでわかるだろ?」

詩音?詩音がなんでこいつに関係するんだよ。
意味わかんねぇ。

「昨日あの子に何したかわかってるのか?」

「は?わかってるよ。あいつを傷つけた、それだけだ」

「…そんなことじゃない。もしあのまま屋上にいたら病院送りだったんだぞ」

「…病院送り!?」

どっどういうことだ?
俺のせいで病院送りになりそうになったって…

「炎天下の中、泣きつくして日射病だよ。誰にも見つかってなかったら大変なことになってたんだ!わかってるのか!」

「そんなこと知らねぇよ!大体、あいつが勝手に泣き崩れてたんだろうが。全部俺のせいにすんじゃねぇよ!何も知らないくせに!!」

大声で怒鳴っていた。
全部詩音の自己責任じゃねぇか。
勝手に泣き崩れて、勝手に日射病になって、勝手に倒れて…

「そうだな。確かにあの子が泣き崩れてたから悪い。けどな、そうなった原因はお前にあるんだ。わかるか?お前の一言であの子を殺しかけたんだ」

殺し…かけた…
俺が?詩音を?