オオカミとお姫様

屋上に着いた。

「あっあの…」

詩音の声に振り返る。
…あ。

「髪、なんで戻したの?」

「え?」

ストレートになった髪に触れる。
どんな髪型でもかわいいけど。

「なんで?」

「え、あ…その…」

「それにさ、マネージャーも辞めたみたいだし」

「あ…えっと桜井くん?」

「どうして名前で呼んでくれないの?」

「やっ…それはっ…」

詩音に質問攻め。
困らせてしまったようで、俯かれた。

「…それ全部、俺のせいなんだよな」

詩音がこうなったのは、全部俺のせいなんだよな…
フェンスに寄りかかった。

「俺が詩音に嫌われるようなことばっかしてたから…」

俺の黒い感情のせい。
俺が詩音を好きだと思わなければ、もっといい関係でいられたかもしれないのに。
俺のせいで…
詩音が顔を上げた。
また困らせてしまったようだ。