ー紅虎ー 壱





また、偉そうなやつが出てきたよ。

「どうして」


ここで座ってしまうと、長居する可能性が高くなる。


「いいから座れ」

それでも、金髪の男はあたしに有無を言わせないかのように強く言う。


そこまで、言う意味はなんなのだろうか、と思いながらみんなとの距離を少し開けてその場に腰を下ろした。


「君、名前は?」

紳士男があたしに話しかけてきた。

「…赤月 紗羅」

「紗羅ちゃん、ね。もう一度聞くけど、本当に俺たちのこと知らない?」


本当に何度聞けば納得するのだろうか。


「知らないって言ってるでしょう?」


「はっ、今の時代に俺様たちのことを知らねぇ奴がいたとわな!もったいねぇーやつ!知らねぇならこれからも俺様たちに関わんなよ!」

今まで、大声を出していた男があたしに向かってそう言った。

「何を恐れてんの?」


大声男は、終始目が揺れてた。
本当は、そんなこと、言いたくないのに言ってしまわなければまた傷つく。そんな風に思っているような言い方に不思議を感じる。


「あ?」


あたしの言った言葉が、かんに障ったのか低い声を出した。


「ストップ!!さっくん、相手は女の子なんだよ!」


そのとき、ちょうど立花蒼空が大声男のイライラを抑えた。