少し、早足で連れてこられたのは″屋上の扉の前”。
「何でここなの」
今もなお、あましの腕を掴みながら前にいる立花蒼空へと問いかけた。
「僕の仲間がいるんだーっ!」
すると、振り向きながら笑顔でそう答えた。
”仲間″…。
とてつもなく、嫌な予感しかしないんだけど。
「やっぱり、帰る。」
無理やり腕を振り払い来た道を戻ろうと思った…………けど、
「ダメだよっ!もう遅いもん!」
さっきとは、比べものにならないぐらい強く引っ張られた。
心地よい風があたしの頬をかすめ、急に眩しくなってあたしは目を細めた。
そうなると、完璧に屋上へと足を踏み入れたことになるわけで。
